
タイトル: Raccolto Rosso(赤の収穫)
素材:パネルキャンバス、MAZZI FINE ART オリジナル油彩、純金、銀彩、大理石
MAZZI FINE ARTオリジナルフレーム
キャンバスサイズ:W100cm×H50cm×4,5cm
フレームサイズ:W112xH62cm
RACCOLTO ROSSO
赤の収穫
《Raccolto Rosso ― 赤の収穫》は、日本の秋が見せる色彩の移ろいと、その一瞬にしか存在しない美しさを表現した作品です。
作品の背景に広がるのは、美しく流れる日本の水。
その清らかな青を背景に、左右から紅葉した木々の枝が大きく伸び、
赤、朱、橙、黄金色に染まった葉が、水の上へと広がっていきます。
この作品を読み解くうえで、まず目を引くのが、
「水の青」と「紅葉の赤」の対比です。
澄んだ水の青があるからこそ、紅葉の赤はより鮮烈に見える。
そして同時に、紅葉の赤があるからこそ、水の青はさらに清らかに、美しく感じられる。
二つの色は互いに対立するのではなく、互いの美しさを引き出すために存在しています。
さらに見ていくと、水の青は一様ではありません。
水面は周囲の紅葉や舞い落ちる葉の色を受け止め、映し込みながら、次第に赤を帯びていきます。
青から赤へ。
その境界は突然変わるのではなく、繊細なグラデーションとなり、水そのものが秋の色へと変化していくように描かれています。
そして、この作品の「赤」もまた、一つの赤ではありません。
日本の紅葉は、樹木や葉の種類によって、それぞれ異なる色に染まります。
深い赤、鮮やかな朱、橙、黄、そして黄金色。
一枚一枚の葉がそれぞれ微妙に異なる色彩を持ち、その無数の色の重なりが、秋の風景に深さを与えています。
だからこの作品では、「赤」という色そのものが、日本の秋の物語を語っているのです。
色だけではなく、「形」も一枚一枚つくられています
近くから見ると、もう一つの世界が現れます。
一枚一枚の葉、そして枝や幹に至るまで、MAZZI独自の浅浮彫による立体表現が施されています。
形をつくり、重ね、さらにその上に色彩や素材を重ねていく。
それによって葉は単なる平面上のモチーフではなく、実際に作品の表面から浮かび上がり、光を受け、影をつくります。
そのため《Raccolto Rosso》は、見る角度や時間、自然光の入り方によって、その表情を変えていきます。
自然光の中で作品を見ると、そこには写真だけでは捉えきれない、独特の輝きが現れます。
色彩、純金や銀などの素材、浅浮彫による凹凸、そしてそこへ差し込む光。
それらすべてが重なったとき、作品はもう一つの表情を見せるのです。
なぜ、この大きさなのか
《Raccolto Rosso》は、キャンバスだけで横幅100cm、フレームを含めると112cmあります。
しかし、この大きさは単に「大きな作品」をつくるためのものではありません。
左右から伸びる枝。
流れていく水。
風に舞い、水面へと落ちていく葉。
そして、青から赤へと移り変わっていく色彩。
それらを一つの風景として包み込み、見る人がまるで日本の秋の中に立っているような奥行きと臨場感を感じられること。
その表現のために必要なスケールなのです。
少し距離を置いて作品全体を見ると、左右へ大きく広がる枝と流れる水が一つの空間となり、見る人をその風景の中へと引き込んでいきます。
描かれているのは、「風景の再現」ではありません
これは《Raccolto Rosso》だけではなく、MAZZIの作品を読み解くうえで大切なことです。
目の前にある木や花、水、動物を、そのまま写実的に再現することが目的ではありません。
表現されているのは、その風景の奥に存在する物語や想いです。
その季節にしか出会えない光。
色。
水。
空気。
自然が移り変わっていく一瞬。
そして、その風景を目の前にしたとき、人の心の中に生まれる感情。
目には見えないものまで、作品の中に残す。
そのために、独自の色彩表現やグラデーション、浅浮彫、そして異なる素材を幾層にも重ねていく制作技法が生まれました。
色と形を少しずつ重ね、素材が見せる表情と光との関係を確かめながら、一つの風景をつくり上げていく。
技法は、技法を見せるために存在するのではありません。
その風景の中にある物語や、言葉だけでは捉えることのできない感情を表現するために、必要だからこそ生まれたものなのです。
「赤の収穫」
秋の自然が生み出す色彩は、やがて散り、次の季節へと移っていきます。
けれど、その一瞬の美しさを作品の中に残すことができれば、時代が変わっても、その物語は未来へと続いていく。
果実ではなく、色彩を収穫する。
日本の秋が生み出す無数の赤。
その一瞬の美しさを、一つの作品の中に収穫したもの。
それが、Raccolto Rosso ― 赤の収穫です。