
タイトル:L'Albero di Pietra(ストーンツリー)
素材:パネルキャンバス、MAZZI FINE ART オリジナル油彩、純金、色銀、
MAZZI FINE ART オリジナルフレーム3D FRAME PUSHUP、純銀箔仕上げ、
サイズ:キャンバス|W40cm×H40cm×T4,5cm、フレーム|W51cm×H51cm
石の樹
人は遥か昔から、石に何かを刻み続けてきました。
まだ紙もなく、言葉さえ今のような形を持たなかった時代。
人々は炎の光を頼りに洞窟の奥へ入り、石の壁に動物や人の姿、そしてさまざまな象徴を残しました。
祈りだったのか。
記憶だったのか。
自らがここに存在したという証だったのか。
その本当の意味を、今を生きる私たちがすべて知ることはできません。
それでも人は、石に刻むことをやめませんでした。
古代の石像や神殿、文明を象徴する巨大な石造物。そして時を経てもなお残る、人の名や想い。
石は何千年ものあいだ、人間がそこに託したものを、沈黙の中で受け継いできました。
イタリア・ルニジャーナの地にも、5000年以上もの時を遡る Statue Stele(石碑像) が残されています。
人の姿を象徴的に刻んだその石は、遥か古代に生きた人々が何を見つめ、何を信じ、何を後世へ残そうとしたのかを、
今も静かに問いかけています。
その「石の記憶」は、物語『芸術の浪人 ― Ars Incandens』に登場する センティネーレ の存在とも重なります。
遥かなる時を見つめ続ける沈黙の証人。
消えゆくものを見届け、その痕跡を内に宿しながら、創造のたびに再び立ち現れる存在。
炎、石、そして象徴を刻むという行為。
それらは、人間が遥か昔から続けてきた「芸術」という営みの原点へとつながっていきます。
そして、その長い記憶の中から立ち上がるものとして選ばれたのが、一本の樹でした。
大地に根を下ろし、天へと枝を伸ばし、季節を巡りながら新たな生命を生み続ける樹。
それは、人間が遥かな昔から生命を表してきた、最も根源的な象徴のひとつです。
石に刻まれ、時を越えて受け継がれてきた人間の想い。
そこから再び立ち上がり、未来へと枝を伸ばしていく生命。
それは、過去を保存するためだけの石ではありません。
人が何かを想い、それを象徴として形にし、時を越えて誰かへ伝えようとすること。
その遥かな営みは、今も「芸術」という形で受け継がれ、新たな生命を生み続けています。
遥かな時を記憶する石と、そこから生まれ、未来へと伸びていく生命。
その二つを、最も根源的な生命の象徴である一本の樹として結びつけたもの。
それが、Stone Treeです。